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上越市環境基本条例(抄)

前文

私たちのまち上越市は、水と緑に恵まれた四季折々の美しい自然に抱かれ、こまやかな人の心をはぐくみながら栄えてきた。
しかし、近年、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済活動や生活様式が定着する中で、廃棄物の増大、生活排水による水質汚濁、地下水の大量くみ上げによる地盤沈下など、人々の活動が環境に与える負荷は、自然の持つ復元能力を超えるほど大きくなりつつある。
そして、生態系の微妙な均衡を失わせ、人類の生存の基盤である地球環境にまで取り返しのつかない影響を及ぼすおそれが生じてきている。
もとより私たちは、健全で恵み豊かな環境の下で健康で文化的な生活を営む権利を有するとともに、この環境を将来の世代に継承していく責務を有している。
それゆえ私たちは、身近な環境をはじめ多様な生態系や地球環境の保全の意義を強く認識し、環境への負荷が少なく持続的に発展することができる社会の実現を目指して、今こそ地域から行動を起こし、国の内外の人々とも連携しながら積極的に環境の保全に取り組んでいかなければならない。
ここに私たちは、上越市に集うすべての人々の参加と協力により水と緑に恵まれた潤いのある環境を守り継承していくことを決意し、新たな理念の下に、この条例を制定する。

第1章 総則

第1条(目的)

  1. この条例は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

第2条(定義)

  1. この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
  2. この条例において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
  3. この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生じることをいう。

第3条(環境の保全についての基本理念)

  1. 環境の保全は、健全で恵み豊かな環境が現在及び将来の市民の健康で文化的な生活に欠くことができないものであることを認識し、将来にわたって、その環境の恵沢を享受するとともに、人類存続の基盤である限りある環境が良好な状態で維持されるように、適切に行われなければならない。
  2. 環境の保全は、地域における多様な生態系を健全な状態で確保するとともに人と自然との豊かな触れ合いを保つことにより、人と自然が共生できるように、適切に行われなければならない。
  3. 環境の保全は、市、事業者及び市民が自らの活動と環境とのかかわりを認識し、すべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に環境への負荷を低減するよう行動し、環境の保全上の支障を未然に防止するように、適切に行われなければならない。
  4. 地球環境保全は、人類の共通の課題であるとともに市民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上での課題であること及び私たちの生活が国際的な相互依存関係の中で営まれていることを認識し、国の内外の地域と連携しながらすべての事業活動及び日常生活において積極的に推進されなければならない。

第4条(市の責務)

  1. 市は、前条に定める環境の保全についての基本理念(以外「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施しなければならない。

第5条(事業者の責務)

  1. 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、当該事業活動に伴って生ずる公害を防止し、及び自然環境を適正に保全するために必要な措置を講じなければならない。
  2. 事業者は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本として物の製造、加工又は販売を行わなければならない。
    (1) 製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷を低減するように努めること。
    (2) 再生資源その他の環境への負荷の低減に有効な原材料、役務等を利用するように努めること。
    (3) 製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られるようにすること。
  3. 前2項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、環境への負荷の低減その他の環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力するものとする。

第6条(市民の責務)

  1. 市民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、廃棄物の減量等日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
  2. 前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力するものとする。

第7条(滞在者の責務)

  1. 通勤、通学、観光旅行等で本市に滞在する者は、前条に定める市民の責務に準じて環境の保全に努めるものとする。

第2章 環境の保全に関する基本方針等

第8条(施策の策定等に係る指針)

  1. 市は、環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ、総合的かつ計画的に行わなければならない。
    (1) 大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素を将来にわたって良好な状態に保持すること。
    (2) 野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保を図ること。
    (3) 森林、緑地、水辺地等における多様な自然環境を地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全すること。
    (4) 自然と調和した潤いと安らぎのある良好な都市景観を形成するとともに、文化財、歴史的建造物その他の環境の文化的構成要素の保全及び活用を図り、快適な生活環境を創造すること。
    (5) 人と自然が豊かに触れ合い、共生することができる環境を確保すること。
    (6) 廃棄物の発生の抑制及び適正な処理並びに再生資源の利用、廃熱の有効利用等による資源の循環的利用(以下「資源の循環的利用」という。)を促進し、環境への負荷が少なく、かつ、持続的に発展することができる社会を構築すること。
    (7) 地球環境保全を積極的に推進すること。

第9条(環境基本計画)

  1. 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
  2. 環境基本計画は、次に揚げる事項について定めるものとする。
    (1) 環境の保全に関する長期的な目標
    (2) 環境の保全に関する長期的かつ総合的な施策の大綱
    (3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
  3. 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ上越市環境審議会の意見を聴かなければならない。
  4. 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。
  5. 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

第3章 環境の保全に関する施策等

第10条(環境基本計画との整合)

  1. 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図らなければならない。

第11条(環境影響評価の推進)

  1. 市は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の計画の確定に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

第12条(環境に保全上の支障を防止するための規制)

  1. 市は、環境の保全上の支障を防止するため、次に掲げる行為について必要な規制の措置を講じなければならない。
    (1) 公害の原因となる行為
    (2) 自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為
    (3) 前2号に掲げるもののほか、人の健康又は生活環境に支障を及ぼすおそれがある行為

第13条(環境の保全上の支障を防止するための経済的措置)

  1. 市は、事業者又は市民がその行為に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることを助長することにより環境の保全上の支障を防止するため、必要かつ適正な金融上の措置その他の措置を講ずるように努めなければならない。
  2. 市は、適正な経済的負担を求めることにより事業者及び市民が自ら環境への負荷の低減に努めることとなるように誘導するため、必要な措置を講ずることができるものとする。

第14条(環境の保全に関する施設の整備等)

  1. 市は、下水道、廃棄物の処理施設、公園、緑地その他の環境の保全を図るための施設を整備するとともに、事業者及び民間団体によるこれらの施設の整備が推進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
  2. 市は、前項に定める施設の適切な利用を促進するための措置その他のこれらの施設に係る環境の保全上の効果が増進されるために必要な措置を講ずるものとする。

第15条(資源の循環的利用等の促進)

  1. 市は、環境への負荷の低減を図るため、事業者及び市民による資源の循環的利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
  2. 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たっては、資源の循環的利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量に積極的に努めなければならない。

第16条(調査及び研究の実施等)

  1. 市は、環境の保全に関する施策を策定し、及び適正に実施するため、公害の防止、自然環境の保全、地球環境保全その他の環境の保全に関する事項について、情報の収集、調査及び研究の実施並びにその成果の普及に努めるものとする。

第17条(監視等の体制の整備)

  1. 市は、環境の状況を把握し、及び環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視、測定、検査等の体制を整備するものとする。

第18条(環境の保全に関する教育及び学習の振興等)

  1. 市は、事業者及び市民が環境の保全に関する理解を深めるとともに、これに関する活動の意欲を高めるようにするため、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実その他必要な措置を講ずるものとする。

第19条(市民等の環境保全活動の促進)

  1. 市は、市民、事業者及び民間団体(以下「市民等」という。)が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

第20条(事業者の環境管理の促進)

  1. 市は、事業者がその事業活動に係る環境への負荷を低減するために自主的に行う環境の保全に関する方針の策定、体制の整備等からなる環境管理が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

第21条(地球環境保全の推進)

  1. 市は、地球環境保全のため、地球の温暖化の防止、オゾン層の保護、酸性雨対策その他の施策を積極的に推進するものとする。
  2. 市は、国、他の地方公共団体及びその他の関係団体等と連携し、環境の保全に関する情報の提供等により、地球環境保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。

第22条(情報の提供)

  1. 市は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに市民等が自発的に行う環境の保全に関する活動の促進のため、環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するものとする。

第23条(市民等の意見の施策への反映)

  1. 市は、市民等の意見を環境の保全に関する施策に的確に反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

第24条(年次報告)

  1. 市長は、毎年、環境の状況及び環境の保全に関する施策について議会に報告し、これを公表しなければならない。

第4章 環境保全に関する施策の推進体制の整備

第25条(市民等との連携)

  1. 市は、環境の保全に関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、市民等との連携体制の整備に努めるものとする。

第26条(国等との協力)

  1. 市は、環境の保全に関し広域的な取組を必要とする施策については、国及び他の地方公共団体と協力して推進するように努めるものとする。

第5章 環境審議会

第27条(設置)

  1. 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、上越市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

第28条(所掌事項)

  1. 審議会の所掌事項は、次のとおりとする。
    (1) 環境基本計画に関し、第9条第3項に規定する事項を処理すること。
    (2) 市長の諮問に応じ、環境の保全に関する基本的事項及び重要事項を調査審議すること。
  2. 審議会は、前項各号に掲げるもののほか、環境の保全に関し市長に意見を述べることができる。

第29条(組織)

  1. 審議会は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する30人以内の委員をもって組織する。
    (1) 学識経験者
    (2) 関係行政機関の職員
    (3) 市民
    (4) 事業者

第30条(委員の任期)

  1. 審議会の委員の任期は、2年とし、再任は妨げない。ただし、委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

第31条(委任)

  1. 前3条に定めるもののほか、審議会に関し必要な事項は、市長が規則で定める。

附則(施行期日)

  1. この条例は、公布の日から施行する。
    (上越市公害防止条例の一部改正)
  2. 上越市公害防止条例(昭和47年上越市条例第5号)の一部を次のように改正する。
    〔次のよう〕略
    附則(平成14年条例第35号)
    この条例は、公布の日から施行する。

附則(施行期日)

  1. この条例は、公布の日から施行する。
    (上越市公害防止条例の一部改正)
  2. 上越市公害防止条例(昭和47年上越市条例第5号)の一部を次のように改正する。
    〔次のよう〕略
    附則(平成14年条例第35号)
    この条例は、公布の日から施行する。